AppleMusicにロスレス音源と空間オーディオが追加されました 〜 しかも追加料金なし!
こんにちは、じぇに〜(, @neobjenny neobjenny)です。
先週のことですが突然のようにAppleMusicが
- ロスレス音源
- ハイレゾロスレス音源
- 空間オーディオ
に対応しました。
事前に対応するよというニュースは流れてましたが、明確な日取りはわかっていなかったので、びっくり。
それから一週間、改めて情報を精査したり、自分で使ってみたりしましたので、まずはロスレス音源に関する感想を書いてみたいと思います。(長くなりそうなので、空間オーディオについては次の記事で。)
そもそもロスレスって何?
最後にCDを買って音楽を聴いたのはいつだろう? ってもう思い出せないですが、今や音楽を聴く方法の主流はネット配信(ストリーミング)となりました。
音楽CDを作るにあたっては、アナログデータである音楽をデジタルデータに変換せねばなりません。この時の条件が16bit/44.1KHz(サンプリングレート/サンプリング周波数)というものですが、その辺の詳しい説明はググってください(爆)
で、この条件でデジタルデータ化したものをそのままネットで送り、受け取った方が完全に再生できれば、CDと同じ音質で聴ける=ロスレス となります。
ただし、この時のデータ量は結構大きく、それがゆえに通信量が多くなってしまい送る方も受ける方も大変なので、一般には「圧縮」という処理(コーデック)を行ってデータ量を軽減させます。
ですが、圧縮されたデータを復元再生しても完全に元通りには復元できないため(非可逆コーデックと言います)音質が劣化してしまい「ロスレス」だったものが「ロッシー」に変わってしまいます。MP3とかAACとか言うやつですね。
つまり、多少のデータの欠落(音質の劣化)には目をつぶる代わりに、データ量を大幅に軽減させてストリーミングしやすくさせる、というのがこれまでの音楽のデジタル化でした。
そこへAppleのロスレス。
今回Apple Musicで配信がスタートしたロスレスオーディオは、ALAC(Apple Lossless Audio Codec)というフォーマットで配信されている。これはその名の通り、ロスレスで圧縮できるもので、圧縮率は低い(あまりデータサイズは小さくならない)が、展開すると、元のデータに戻す事ができる。
(引用:https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/1328830.htmlより)
つまり、送られてきたデータを再現させるときに完全に元のデータに戻せるので「ロスが無い=ロスレス」と呼ばれるわけです。ストリーミングでCDと同品質(以上)の音楽が聴けるようになったのです。
ハイレゾロスレスって何?
「ハイレゾ」とは「ハイレゾリューション(高解像度)」の略。CD音質は16bit/44.1kHzでしたが、それ以上のサンプリングレート/サンプリング周波数でデジタル化された音源を「ハイレゾ音源」と呼びます。
AppleMusicの場合は、24bit/48kHzまでを「ロスレス」、それ以上の24bit/96kHzや24bit/192kHzを「ハイレゾロスレス」と呼んでいるようです。
理論的には、CDを超える音質 ということになりますが、聴くためにはそれなりの再生機器が必要になってきます。
で、何がすごいの?
ハイレゾ音源は今までもmora quolitasやAmazon Music HD といったサービスですでに配信されていますが、いずれも有料でした。
ところがAppleMusicは追加料金なしで配信してくれるという太っ腹。(それを受けてか、Amazon Music HDも追加料金なしになりました。)
残るはSpotifyですが、こちらも年内にハイレゾのサービスを始めるという発表はされています。いつになるかはまだ不明ですが、個人的には追加料金無しだと嬉しいところ。Spotifyが一番好みなんですよね。
どうやったらロスレスで聴けるの?
さてありがたいお話ばかりではなく、新しいサービスには新しい道具が必要ということも。
まず、iOS/iPadOSなら14.6以上、macOSなら11.4以上の端末であれば、ロスレスオーディオのデータを受けて、それを展開することができます。要は最新OSにアプデしておくことが必要。
その上で…
iPhone/iPadの場合
設定アプリ → ミュージック → オーディオの品質 → ロスレスオーディオ をタップしてONにします。基本的にはこれでOK。
なぜこれで基本OKか、と言うとiPhone/iPad単体ではハイレゾロスレスには対応していない、からです。ハイレゾロスレス音源を聴くためには、DAC(Digital Analog Converter)という機器が必要になってきます。
なので、DACをお持ちならば、Wi-Fiストリーミングとダウンロードの項目をタップしてハイレゾロスレスにチェックマークを入れれば、Wi-Fi接続時または、あらかじめダウンロードしておいたハイレゾロスレス音源を聴くことができるようになります。
モバイル通信ストリーミングの項目もロスレスやハイレゾロスレスを選べますが、注意書きにあるようにデータ量が一気に何十倍にもなりますのパケット量に注意しないと請求金額が、ががが…ということになりかねません。なのでここは「高音質」のままにしておくのが良いかと思います。
さて晴れてこれでロスレスが聴けるか…と思いきや、内蔵のスピーカーではロスレスまで再生できますが、ヘッドホン/イヤホンは有線タイプでないと対応できません。AirPodsやAirPods ProのようなBluetoothイヤホンではロスレスを再生できないのです。 無線で転送する際にまた圧縮転送技術(コーデック)が使われるのですが、iPhone/iPadで使われるAACというコーデックでは転送段階で劣化してしまうんですね。(AirPods/AirPods Proも対応しているコーデックはSBCとAACのみ)せっかくのロスレスがロッシーになってしまうのは残念。
ということでまとめると、
- OSを最新バージョンにする
- 設定アプリから必要な設定を行う。
- 有線のヘッドホン/イヤホンを使う
ことで、iPhone/iPadでロスレス音源を聴くことができます。
有線のヘッドホン/イヤホンを使うには、iPhoneなら純正のLightningイヤホンアダプタを使えばOK(もちろん相当品でもOK)
そして、ハイレゾロスレス音源を聴くには別途DACが必要になります。例えばこんなようなモノですね。
Macの場合
Macの場合もほぼほぼ同様。OSを最新バージョンにして、ミュージックアプリの環境設定メニュー → 再生 から「ロスレスオーディオ」にチェックを入れます。
Macの場合はイヤホンジャックを搭載しているので、そこに有線のヘッドホン/イヤホンを接続すれば、これでロスレス音源を再生することができます。一方、Bluetoothの場合は、MacOSが対応しているコーデックがSBC、AAC、aptXなのでiPhone同様ワイヤレスではロスレスを再生できません、残念。
ハイレゾロスレスの場合もiPhone同様、外付けのDACを介さないと再生できません、残念。
ということで、ここまでの話をとてもわかりやすく解説されているYoutube動画を貼っておきます。是非参考にしていただきたい。
まとめ
ということで、ここまでAppleMusicで始まったロスレス音源とハイレゾロスレス音源配信のお話を書いてきましたが、今のところの自分の感想を含めてまとめると
- 追加料金なしで高音質の音楽を聴けるようになったのはうれしい。
- とはいえ、現状のApple製品ではロスレスですら手軽には聴けない。ワイヤレスでは×。
- ハイレゾに至ってはDACを繋がないと聴けないのはさらに手間。
という感じ。
少なくともロスレスですら有線じゃないと無理というのはちょっと残念。音楽を手軽に聴きたい自分としては、AirPodsを始めとしたワイヤレスイヤホンで聴きたいので、是非そのレベルでもロスレスぐらい(できればハイレゾまで)は聴けるように対応してもらいたいところです。
手持ちの有線イヤホンでロスレスと今までのAAC音源を比較しながら聴いてみたところ、確かに楽器の定位がよりハッキリしたとか、高音の鳴り方がきらびやかな感じに変わったとかは思いましたが、うぉぉっ!!と叫ぶほど劇的な差違は感じられませんでした。そもそも高齢者だから耳が劣化して…(自粛)
そもそも再生音質は再生機器の能力に大きく左右されるので、いくらストリーミングの質だけを上げてもチープなヘッドホンやアンプでは猫にご飯、じゃなくて猫に小判。
ハイレゾ配信になって、再生するアンプやヘッドホン/イヤホンも高性能なものを使うことで初めて「をを、ええ音や!」って感じる気がします。
もっと言えば「ええ音」って何なん?ってことになりますが、これ以上突っ込むと精神論になってくるので止めますw
それでも、追加料金無しでハイレゾ配信を始めたAppleさんの心意気には感謝です。ネットワークも5Gが一般的になれば、ハイレゾだってサクサク配信できますしね、今後に期待してますよ! ってなところで、今回は〆ておきます。
ってなことで。