「好きなことだけ」だけして生きていく by 心屋仁之助 〜 未来の心配のために今を犠牲にしない
立花B塾での次のオススメ本「『好きなこと』だけして生きていく。」を再読したのでその感想など。
読書記録を調べたら、2014年11月の発刊時に一度読んでいたので再読ということになる。4年前と言えば、サラリーマンとしてこのまま定年まで好きでも無い仕事をし続けて生きていくことが自分にとって本当に良いのだろうか?と悩んでいた頃に出会った本。でも「好きなことだけ」して生きていく、などと言うことは本当に出来るのだろうか? 本を読んだ後でもそれを実感することは出来ず、早期退職するまでまだしばらく悶々としていたことを思い出す。
結局のところ「好きなことだけして生きる」ために会社を辞めるのではなく、「好きじゃ無いことをして生きる時間は自分には無い」という理由を、いささか強引に自分に言い聞かせて会社を辞めたのだが、4年ぶりに読んでみたところ、忘れかけていたあれやこれやを思い出すキッカケになったので気になったところをいくつか記してみる。
自分には頑張らなくても価値がある(と信じることにする)
「頑張らないと報われない」「頑張らないと価値がない」という思い込みは子供の頃の親の教育の結果、植え付けられた価値観に過ぎない。「頑張れば」褒められたから。でも、本当にそうなのだろうか?そう信じ込んでいる限り「好きなこと」「楽しいこと」を選べず、人はとにかく頑張ってしまうのだ。
サラリーマン時代、管理職になって実務が減っていくことと反比例して給料が上がっていった。手を動かすことがほとんど無くなっていくのにそれでも給料をもらうことにずっと罪悪感を持っていた。実は、ラクして儲けてはいけないという価値観があったのだが、「ラクしてお金をもらってもよいのだ」と自分に許可を出せば良かったのだ。
まずは今までの価値観や、理論や理屈で考えるのを止めてみてカンで動いてみなさいと著者は書いている。先日のPoints of YouⓇのスペシャルワークで自分が得た「第3の目を開いて直感で動いてみる」という気づきは偶然ではなかったようだ。
そうなのか、そうじゃないのか、ハッキリ判らなくて構わないから、とにかく「そう信じることにする」というのがまずはスタート。
他人の人生の責任を取る前に、自分の人生の責任を取るのが先
「好きなこと」だけして生きたら、人に迷惑をかける。結果、嫌われることになる。だからできない、と言うのが常套句。アドラー心理学でもそういう話があったと思うが、人に嫌われないように生きる方が楽。顔色うかがって自分を押し殺して生きれば良いのだからね。「好きなこと」ことだけして生きるのというのは、楽をして生きることではないのだ。
「もしそうなったら」はそうなったとき考えよう。
嫌われるかも知れない、嫌われないかもしれない。先のことを考えてみたところで誰にもわからないのだから、そうなったときに考えれば良いではないか。未来のことを考えて準備ばかりしていても、少し安心できるだけで、不安や恐怖は決して無くならない。お金が出来てから好きなことをするのではなく、まずやってしまう。ここは多少実行している部分でもあるかもしれない(苦笑)
本当に好きなことって何?
そうは言っても自分の本当に好きなことが即座に答えられる人ばかりでも無いだろう。
そもそも「好き」とは何か、から考えてみましょう。「好きなものがない」と言っている人も、本当は好きなものをいつも選んでいるのです。例えば、今、あなたは椅子に座って本を読んでいます。その椅子に座ることを選んだのはあなたです。
足はどうするのか、飲み物はどこに置くのか、照明はどうするのか? 意識しているのか、無意識にそうしているのかを問わず、人はどんなことも自分が選んでいる。つまりいつも100%好きなものを選んで生きているのだ。
「本当に好きなもの」には理由が無い。
関西でよく言われる(と聞いたことがある)「なんや知らんけど」の領域。「損得」や「正しいか間違ってるか」じゃなく、「やっぱり」がつく好きなものが「本当に好きなもの」。理屈じゃ無く、勘でそう思うモノや事のこと。自分に当てはめてみると、ギター触る、Mac触る、萬年筆で何か書く、カメラ触る、珈琲を淹れる、寝転がって海外ドラマ観る等々、沢山出てきた(笑)
自分もコーチングで聞かれたことを思い出したが、「自分の好きなこと」を見つける質問はこうだ。
- 一生お金に困らないとしたら、誰にも嫌われないとしたら、何をやりたい?
- 子供の頃、本当は何がしたかった?
もしかしたら「何もしたくない」が出てくるかも知れない。そしたら「何もせずにどうすごしていますか?」と尋ねる。「ゴロゴロしてる」というのなら、それが「したいこと」なのです。
その結果、自分の好きなことが出てきたら、まずやってみる。お金が無いとか時間が無いとか出来ない理由は必ず出てくる。でもそれを置いておいて、まずはやりたいこと、それだけを追求する。そうすると後からお金も時間も付いてくるのだ。
それでもハードルが高い、というのなら、まずは「小さな『やりたい』」から始めてみること。美味しいモノを食べたいとしたら、お金が入ったら行くのでは無く、お金が入らなくてもまず食べに行く。「でも」という損得で消さない。毎日の生活を小さな「やりたい」「楽しい」「好きなこと」で満たしていくことが必要なのだ。
とにかく、今までの逆のことをしてみること。やったことの無いことを敢えて選んでみる。「小さな」ことで構わないのだから、行きつけのカフェで「いつもの」メニューを頼むのでは無く、「皆と同じ定食」でもなく、自分がその時に食べたいと思ったモノを金額を見ずに選んでみる、とか。もちろん勇気は必要だが、「自分にはその価値がある」と信じ込んで行動することだ。
自分の行動にどう繋げる?
本書で一番心に残ったのは
未来の心配のために今を犠牲にするな。
未来のために好きなことをガマンしても未来にそれが手に入るとは限らない。でも今好きなことをすれば、未来も好きなことが手に入る可能性がある。その可能性を信じられるかどうか、ということ。早期退職して1年半が過ぎたが、まだまだ自分の中に多くの迷いがあるのは事実。本書のお陰で忘れかけていた辞めた時の決意を思い出すことが出来た。まずは損得では無い、小さな「やりたい」から始めて見よう。自分にはその価値があるのだと信じ込んで。
信じるモノは救われる。
ということで。
※今回は敢えて文体を変えて見ました。これも「いつもと違うことをする」行動の1つということで。